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愛にふれて
【side_瑠璃】
いよいよ明日は舞踏会当日。琥珀との事を一輝に伝える為に待ち合わせた。
イルミネーションが街路樹を明るく彩る。ショッピングモールの大広場で一輝に告げる。
「え…… 瑠璃、本気?」
「うん、一輝ごめんね」
木造りのベンチに並んで腰をかけていたけれど、あまりにもびっくりしたのかいきなり一輝が立ち上がる。
「一輝、ね、どうしたの?」
怒らせちゃったのかな。一輝への返事を曖昧にしたまま、こんな事になってしまったから。
「瑠璃、俺は反対。あんな人が本気で瑠璃となんて信用できないよ」
私の前を行ったり来たり。一輝の苛立ちが見てわかる。
「後悔するよ、瑠璃」
「でも、もう決めたの」
はあ、って。一輝はおっきな溜息を吐いて、隣にまた腰を掛ける。
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