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【side_一輝】
ホテルCandytuft―― 広い敷地内を進むと洋館が見えてくる。入り口の扉は左右に開き、忙しく人が出入りをしている。
「随分大きな建物だな」
隣接する高層ホテルは今風なモダンデザインが目を引くが、見えてきた洋館は英国風な造り。花と散りばめられたクリスタルがアクセントになり洒落た感じを出している。
普段は敷地内にある教会で挙式後、この洋館で披露宴を開いている場所。ある程度予測はしてきたものの、規模の大きさに俺は瑠璃が心配になる。
「なんだよ、この人数は」
洋館の中へと続く石段を上がる。会場内へと足を踏み入れると既にたくさんの招待客がグラスを片手にあちらこちらで談笑している。
吹き抜けのロビーを抜けてまたその先へ。舞踏会の会場とされた室内にも、ドレスにタキシード、上品なフォーマルスーツやカクテルドレス。様々な装いで既に大勢の人が集まっている。
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