愛にふれて

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「今日は御一人なの?」  朱音も一人なのか連れらしき人の姿も無く、なんとなく俺達は話を始めていた。   「え、見舞いに来られてただけだったんですか」 「えぇ。お客様が来られると聞いてお茶の仕度を代わって差し上げたのよ」 琥珀は足を痛めて退院したばかりだった。朱音が来客の為に動くのもわからなくはない。  だけど、それって。浅い関係で成り立つ事なんだろうか。 「あの、朱音さんて如月さんとは……?」 「琥珀さんとはお見合いをさせて頂いたのよ」 にこやかな笑顔のまま朱音が答える。 「あ、まさか。今日の如月さんのパートナーって」 足を痛めた事を理由にして、琥珀は決定していたパートナーを断り瑠璃を代わりに選んだ。 「お恥ずかしいわ。御断りされたくせにって思うかしら」 舞踏会で踊るパートナーだけを? それとも見合い自体を琥珀は断ったのか?朱音の言葉からでは肝心な部分がわからない。
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