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『You are the one for me.
―― 愛にふれて』
背後のスクリーンにキャッチコピーが映し出される。
「瑠璃……!」
舞台横から琥珀に手を引かれて瑠璃が現れる。白に淡いピンクをレースで重ね合わせたマーメイドデザインドレスに衣装替えをしている。
うわ……っ。可愛い。やっぱりきついよ、瑠璃をいまさら友達として扱える気がしない。
プロのメイクを施されている瑠璃を、舞台より少し離れたところから見つめる。使用しているメイク用品が新製品らしく、間に商品説明のアナウンスが流れるが耳には入らない。
俺は瑠璃に会わずに帰るべきなんだろうか―― 琥珀の隣で魅せる瑠璃の笑顔に想いは虚しく色を変えて行く。迷い始めたその時、新製品の紹介が終わる。
「え…… 朱音さん?」
メイクを終えて挨拶をしている二人に、朱音が花束を持って近付いて行く姿を見つけた。
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