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会場内へと瑠璃を連れて入る。流れてくる音楽に瑠璃と手を重ね合わせる。
「踊る予定では無かったわ」
「せっかく美しく着飾ったんだ。皆にも披露するといい」
イングリッシュスタイル(英国式)と言われているボールルームダンス。
「曲のリズムが変わったみたい」
ステップや踊り方はそのリズムにより各々違った型に作られている。瑠璃には基本的なホールドと簡単なステップしか教えていない。
「大丈夫、俺がいるから」
手を引いて徐々に会場の中央へと躍り出る。
ティアラを付けて可憐な舞いを魅せる。パールのビジューと敷き詰められたラインストーンが瑠璃が揺れ動くたびにキラキラと輝く。
「ラピスラズリがよく似合う」
胸に引き寄せて耳元へ囁く。強く押さえた腰をぐっと寄せて瑠璃が身体を反らす。
ライトダウン。瞬間、スポットライトが真上に。光の中瑠璃の真っ白なドレスが舞い上がる。
「皆が見てるわ。恥ずかしい」
「忘れた? そういう立場なんだよ」
如月グループのトップに立つ。それも遠くない将来。
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