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舞踏会への扉
【side_瑠璃】
病院特有のツンとした匂いがする。細い通路を進みその部屋の前で立ち止まる。ネームプレートを確認して小さなノック。扉は軽く横にスライド。
「行こうか」
学生時代からの友人であり、今日ここへ来る理由を作った本人。
早瀬 一輝―― と顔を見合わせて頷く。
そこまでは通常部屋と同じ造りだったのに。
「し、失礼致します」
開いた扉の向こうはまるで別世界。ダブルベッドにソファセット。大理石調の壁にヒラヒラ揺れるカーテン。
部屋のあちらこちらに飾られた豪華な花々が部屋を一段と美しく彩る。
これって…… 私ってば、ちょっとピンチ? 嫌な冷や汗を感じながらベッドサイドへ近寄る。
「あの、本当にすみませんでした」
一輝と共に深々と頭を下げる。
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