これで、終わり。

だからこそ、その『偶然』は私の人生の中での『幸せ』の概念を大きく曲げたのだ。

ある日用事で電車に乗って、昔高校へ行くときに使っていた駅まで出掛けた私は、偶然、本当に偶然『彼』に逢ったのだ。彼の変わったところは、背と髪が少し伸びたこと位で、久しぶりに逢った気がしなかった。
近くのカフェに立ち寄った私たちは、まるであの頃のように楽しく語り合った。その後、どうせなら呑みに行こうと提案され、居酒屋を何軒かまわった後に、酔った私たちは酒の勢いに任せて愛し合ってしまった。求め合い、唇を絡ませた。

その日から、『私たちの関係』は始まった。
そして、私にとっての幸せは、『『彼』といること』に変わっていった。