27人が本棚に入れています
本棚に追加
時刻は午前1時をまわったところだ。
目的地まではあと1時間半位。
ガソリンはあと、満タンの半分より少し少ない位だろうか。
それらは私に、無情にも私の願いは叶わないことを告げていた。
もしも今この瞬間、私の目の前に魔法使いが、サンタさんが、神様が現れたら私はこう言うだろう。
『時間を止めてください。』
『目的地をずっと遠くに、いや、消してください。』
『ガソリンをなくして、ここに居ざるを得なくしてください。』
そうすれば私と『彼』はきっと、一緒にいられるだろう。行きたい所へ行って、何も気にせず、愛したいだけ愛していられる。一緒にいたいだけいれば良いし、お互いの愛を獣のように貪り食うことも許されるのに。
でも。
最初のコメントを投稿しよう!