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100スター記念に番外編書かせていただきました〜(*¨*)お久しぶりの櫂兄です
これからもよろしくおねがいします!
今日は久しぶりに櫂兄との勉強会が開催されている。櫂兄に会うのは僕が忘れ物を取りに来たとき以来だ。勉強会と名を打ってはいるものの、今日は単純に櫂兄に会いたくて来たことは内緒にしておく。
もちろん本当に勉強もしている。実は僕はなかなか偏差値の高めな学校にうっかり入学してしまったので、予習に復習にちょっと手を抜くとあっという間に置いていかれてしまうのだ。こわいこわい。
櫂兄にはなんの教科のどの質問をしても簡単に答えが返ってくるし、その説明は参考書よりも全然わかりやすい。僕がやってる問題集は割と難しい方だと思うんだけど…。
そんな秀才の櫂兄のお陰で、わからなかった問題もすっかりとき終わり、休憩タイムになった。
櫂兄がお茶を持って来てくれる。氷が揺れて立てるカランコロンという音が涼しげで耳に心地よい。
今日はずっと僕の横に座ってくれている櫂兄とお茶を飲みながら最近の近況について話し合っていると、ふと陵介さんとの一件を思い出した。
櫂兄はちょっと心配性で、僕が倒れたなんて言ったら陵介さんが怒られちゃうかも、と思ったからうまくそこは伏せて、ハンカチを返したついでに友達になったって伝えた。
びっくりされるかな、と思ったけど、予想に反して櫂兄は
「へぇ…そうなんだ」
となにやら考えているときの顔をしていた。
櫂兄が何を考えているかはわからないけど、考えてる顔もかっこいいなぁ〜と、座っていても埋められない身長差的に下から覗くしかない僕は上目遣いで見上げる。
遠くを眺めるようにしていた櫂兄が僕に視線を戻した。ぱちっと目が合う。
「航、それさとみにやらない方がいいぞ。わかってないと思うけどすげーかわいいから。
あいつは優しいけどちゃんと男だから気をつけろよ。」
さらっと真顔で言う櫂兄。
え?それってどれ?ていうかさとみさんが男なのはよくわかってるけど…
僕はよく意味がわからなかったけどとりあえず頷いておいた。
僕が頷くのと同時に櫂兄が大きなあくびをしたから僕にも移ってしまった。櫂兄が眠そうにしているところを見るのは珍しい。だけど今の時間はお昼を回った3時。誰でも眠くなる時間帯だ。
櫂兄は急に立ち上がると座っていた場所のすぐ後ろにあるベッドにドサっと倒れ込んだ。
「わりぃ、昨日徹夜したからちょっと寝る」
そうだったの!?全然気付かなかった。徹夜明けであの頭の回転とは恐ろしさすら感じる。
僕もじわじわと睡魔に襲われていた。
いいなぁ…僕も小学生のころみたいに一緒に寝たいなぁ、と櫂兄をじーっと見つめてアピールする。
眠そうに僕を眺め返す櫂兄は
「これバレたらさとみ怒りそうだな〜、、まぁいいか」
となにやら独り言をつぶやいていたけど、ベッドの上からふっと微笑むと柔らかい声で「おいで」と言ってくれた。
夏のシングルベッドで2人でするお昼寝はちょっと暑かったけど、櫂兄が隣にいることにすっかり安心して少し寝すぎちゃったことに気がつくのはあと何時間か後の話。
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