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告白
あのちょっとした勘違い騒動から1週間後の土曜日、僕はお洒落なカフェでさとみさんと向かい合って座っていた。
なんでいきなりこうなっているのかというと、先週僕はさとみさんのハンカチを涙でぐしゃぐしゃにしてしまったので、「そのままでいいよ?」というさとみさんの制止を振り切って「洗わせてください!!」と言って持って帰ったのだ。
今日はそれを返しにきた。
俺いいお店知ってるよ、とメッセージでさとみさんが教えてくれたカフェは歩いていける距離だったのでスマホのナビを頼りにてくてく歩き、お店の前に辿り着くと、既に待っていたさとみさんは少し大きめの襟付きの紺の半袖に黒の細身のパンツというシンプルな格好にも関わらずかなり目立っていた。
通り過ぎる女の子たちがみんな熱い視線を送っていくのがわかる。
すらっと伸びた足はモデルかな?と思うほど長かったしお顔もやはりものすごく綺麗でかっこよかった。
これは女の子が見惚れるのも納得だ。
まぶしいさとみさんに声を掛けられずにわたわたしていると、スマホから目を上げたさとみさんと目があって、にこっと微笑んでくれた。
「航くん!」
…とまぁそういう経緯で今、ここカフェ店内に至る。
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