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「おお、気がついたようだね」
「そうみたいね」
ゆり子が目を開けると、2人の男達の顔があった。普段仕事で世話になっていて、たまに3人で遊びに行ったりしている。
「あれ、私」
ゆり子は自分の周りを確認してみた。病院の一室で、ベッドの上に寝ていたようだ。
「全く、駅の階段で人ごみに押しつぶされて」
「そうよ、人ごみよ。私、悪の組織から人ごみ攻撃を受けて倒れて、それから」
「え、何言ってんだい、何寝ぼけてるんだい」
「どうやら自分の今の状況が把握できてないようだね。あのね。ゆりちゃんは、駅の階段で乗客達に押しつぶされて倒れていたの。そのあと救急車でここの病院に運ばれて、おれ達も連絡を受けてやって来たんだよ」
「え、そうなの?私改造手術を受けてサイボーグにされて・・・あれ」
ゆり子は自分が服を着ていることにようやく気付いた。
「なあんだ、夢だったの。かっこいいヒロインになれたと思ったけど、残念ね」
「え、ヒロインって、どんなの?」
「何でもないわよ」
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