0人が本棚に入れています
本棚に追加
あぁ、終わった。
終わってしまった。
私の青春。
手紙を書きながら、いろいろ考えた。
彼と一緒に過ごす夏休み。
いけないと知りながら二人乗りをしながら道を走る。
ファミレスに入って、一緒に食事をして。
真ん中で折れるアイスを買って、二人でベンチに座りながら食べたり。
そんな淡い想像は、しょせん想像でしかないのだと、現実を突き付けられる。
目から自然に涙がこぼれる。
「あ、ありがとうございます。弓弦君。わざわざ呼び出して、ごめんなさい。」
ダメだ、言葉が、出ない。
頭が回らない。
溢れる涙が視界を歪ませる。
もう何も、見えない。
「あの、それでは、私はこれで。」
そう彼に告げ、足早に隣を過ぎ去ろうとする。
「ちょっと待って。」
そういいながら彼は私の腕をつかむ。
早くこの場を去りたいのに、彼はなぜ私を止めるのだろうか。
「あの、なんでしょうか。」
「僕からも、木更津さんに話しておきたいことがあるんだ。」
「弓弦君から、私に?」
「そう、君に。」
一体なんだろうか。もしかして、私を馬鹿に・・・?
「木更津さん、僕は君のことが好きです。」
「・・・・・・・・・へ?」
最初のコメントを投稿しよう!