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相変わらず眠たそうなミューズは、俺と目が合うとちょっと笑った。
俺もちょっとだけ笑ってから言った。
「今度はさ、もっとすげーお土産見せてよ」
「すげーって?」
「いかにもモンスターって感じの奴」
「……今までもそうだけど」
「んー、なんかね、やっぱり異世界って、憧れるなぁ見たいな」
「えー、そんな良いもんじゃないよぉ」
「いつかミューズと一緒に行けたらなぁ、なんて」
「うーん……危ないよ?」
「でもほら、俺は言った事無いからさ。異世界。雰囲気だけでも……ね?」
「あー、分かった……頑張ってみる」
そう言った翌日。
彼女は姿を消した。
さて、何をくれるかな。
この時は、そんな暢気なことを考えていられた。
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