花子さん日記より

1/4
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

花子さん日記より

私の名前は、第三十花子。 昔ながらの怪談ではおなじみの「トイレの花子さん」だ。 花子さんはこの世にたくさんいるので、それぞれ名前の前に番号をつける。 第三十花子は三十番目に誕生した花子さんという意味で、結構先輩なのよ。 しかし、友達は少ない。 仕方がないのでハナコ・グループを作ることにした。 ハナコ・グループとは、私達花子さんが日々生活する花子さん界にある、ライングループとかチャットとか言ったようなものだ。 舞台を設定したりアバターを作ったり、メールのように吹き出しによるやり取りだけを行ったりと、ハナコ・グループの種類は様々。 アバターや舞台設定をすれば興味を惹かれるけど、好き嫌いによって逆に入会者が少なくなることもある。 少し面倒なこともあって、私は舞台もアバターも設定しない、吹き出しのみのグループを創作することにした。 【グループ名・ちょっとトモダチ】製作者ー第三十花子ー {内容:友達が少ない方、ぜひ集まってみてください。相性ピッタリの友達が見つかることを祈ります。合言葉は「ちょっとトモダチしよう!」} <コメント> なし ※定員に制限あり・千人以内 ちなみにここでの合言葉とは、パスワードを意味するものではない。 そんなものを簡単にばらすわけがない。 よく映画なんかのCMで「合言葉は『絆』。固い友情で結ばれたあいつらの物語!」なんて言ってるのと同じ意味で使わせてもらっている。 流石に千人入ったら友達の一人や二人できるでしょ。 すると、早速連絡が入った。 花子さん界では、あらゆる情報をリアルタイムで知ることができる。 作ったばかりのグループにいきなり連絡が入るというのも、有り得ない話ではないのだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!