出会いはまるで花瓶のように

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「店長さんの……飼い猫?」 訝しむような表情をして、私はその店の看板を見る。 木製の扉の上には、お店の人が自分で作ったのか、『Your Concierge』とペンキで書かれた看板が目についた。 残念ながら、英語が大の苦手な私は意味までわからなかったけど、何となく、ステキな言葉だなと思った。 この辺りは学校帰りに友達とよく遊びにくるところで、地元客で賑わう商店街にはアパレルショップから飲食店、はてはちょっぴり怪しい占い師の館まで……ざっくばらんに色んなお店が立ち並んでいる。 そんな商店街の道をいつものように歩いていた学校からの帰り道、ちょっと冒険してみようと思い立って入った裏通りに、この店はあったのだ。
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