出会いはまるで花瓶のように

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「インテリアショップなのかな……」   扉についた小さな小窓から中を覗けば、左側に見えるカウンターには大柄で髭を生やした男性の姿。 オブジェのようなものを丁寧に磨いているその表情は、どことなく優しそうだ。 そのまま視線を右にスライドさせると、椅子やテーブル、それに棚に飾られた雑貨の数々。 私の家には到底置いてないようなオシャレなものが、たくさん飾られている。 「いいなぁ、あの置き時計……」   チラリと見えた棚の左端、木製の彫刻で小鳥の姿を型どった時計に、私の視線は思わず絡めとられてしまう。 幼い時から小鳥の人形とかモチーフが好きなのは、きっと自分と同じ名前だということも影響しているのだろう。
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