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「いらっしゃいませ」
大柄な身体とは裏腹に、カウンターにいる男性の柔らかな声が耳に届く。
やっぱり、優しい人で間違いなさそうだ。
そのおかげで少し気が楽になった私は、ぎこちない笑みを浮かべながら軽く頭を下げる。
「君みたいな若い子がこのお店に来てくれるなんて珍しいね」
顔を上げた時、自分とは違ってナチュラルな笑顔を浮かべている相手が言った。
その言葉に、私は慌てて言葉を返す。
「あ、その……猫がいるのが見えたんでお店で飼ってるのかなーって思いまして……」
あはは、と相変わらず作り笑顔全開の情けない表情で答えると、目の前の男性は少し目を丸くする。
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