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2 泉
目が覚めると橘秋斗は水の中にいた。
息が苦しくなりもがくとすぐに足がつく、
浅い。
ザバー
「ケホッ!ケホッ!、えっ?.......」
顔を上げるとそこは不思議な事にジャングルの様な森に囲まれた泉の中だった。
日本ではない。
気候が違う日本は2月で冬だ。
秋斗は何故か裸で泉の中に立っている。
寒くはなかった。
水の方が冷たくて気持ちがいい気温だ。
自分は全身に大怪我を負って死んだはずでは?
状況が全く理解できない。
呆然として周りを見渡す。
秋斗が最後に目にしていた青空だけが背の高い木々の間から見えるだけで。
辺りから鳥の鳴き声が聞こえるが近くに人の気配は無い。
「ここどこだよ....。
なんで俺こんな所に.......。」
ありえない状況だった。
誰か助けを求め秋斗は辺りを確かめる事にした。
自分が何も着ていない事もありあまり遠くは行けないが泉を中心に四方を見て回る。
分かった事は、3つ。
ここは砂漠に囲まれた小さなオアシス。
時刻は太陽の位置から見て多分正午くらい。
今此処には誰もいないが危険な動物も居ない様で少しだけ安心する。
危険が無いと分かり安心すると秋斗は疲労と緊張で眠くなってしまった。
ありえない状況が重なり過ぎて限界だった。
泉の側の木の根元に丸くなり秋斗は目を閉じた。
目が覚めたら全て元に戻っている事を祈って。
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