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3男
耳元で小鳥が囀る音がする。
目覚めるとまだジャングルだった。
最悪だ。
夢ならさめて欲しかった。
地面に丸まって寝ていた身体を仰向けにした。
全裸で地面に仰向けは流石に恥ずかしいが
誰もいないので気にしない。
ぼーっと樹々の間から覗く空を眺めながら考える。
俺は死んだはずだ。
そして何故かここにいる。
どこだかわからないこの場所に。
暫くグルグル考えていたが答えは出ない。
無駄なようだ。
空腹と身体のベタつきが気になり
俺は考えるのを辞めた。
地面から起き上がり泉へと向かう。
何も身に纏ってないが寒さは感じない。
逆に暑さと湿度で肌がベタつき不快だ。
サッパリしたい。
裸足で枝葉を踏み締める。
泉はすぐそこだ。
透き通るほど綺麗な水面に頭上から差し込む日差しが反射しキラキラと輝く。
足先からゆっくり水に浸かる。
ひんやりとしていて気持ちがいい。
腰までの深さまで進む。
ベタついた身体と頭を流すと気分が少しすっきりとした。
濡れた髪を後ろに撫で付ける。
「ふぅ。きもちいー…。」
夢中になっていたあまり気づかなかった。
背後から突然現れた男に。
「@ajg¥@“:)?:。」(:誰だ。)
男に後ろから声をかけられ初めて気づく。
落ち着いた低いバリトンの声。
パシャッ!
どきりとして思わずしゃがみ込み水面に頭だけ出し俺は振り返る。
数メートル先。泉の端に長身の男がいた。
輝く美しい金髪と日に焼けた浅黒い肌、
彫りの深い目鼻立ちに透き通る様な青い瞳が強く此方を見つめている。
手には剣を持ち刃先は男の足元の水面を向いてるが、こちらに鋭い視線を向けている。
身なりからして貧しい身分では無さそうだ。
白いアラブや中東の民族衣装の様な出立だ。
異国の不思議な言葉。
「〆€☆tp*○ajtm」(:何故ここにいる。)
男が何か喋りかけこちらに聞いてる様だ。
意味はわからない。
「えっと……。ハロー…。あー、マイネームい
ず、アキト。」
一応片言の英語で喋りかけてみるが無反応。
むしろ男の視線が一層鋭くなった様な気がする。
「a€$%#.〆>\*%......aj:〆#%dm………
ajpu€:.....ajtwj^〆!」
(:異国の者か……言葉が通じぬとは………
煩わしい……そこのお前来い!)
男は何かぶつぶつと喋ったと思うと最後に少し怒った声を出すと、
何と此方にズカズカと向かって来る。
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