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ライトの部屋でゲームをする 2
見ると家族写真だった。
ライトの母、らいと、なつみちゃん……と、男の人。お父さんかな?
「あ、その写真は皆で撮った家族写真」と、ライトが教えてくれた。お父さんの髪の毛は赤く、外国の人だった。
「父は俺が五才の時に亡くなった」
ライトがポソリと言った。
「この髪の毛の色は、染めてないんだ。父譲り」
「え? 」
ライトの髪の毛の色は、外国生まれの父の髪の毛の色だったのだ。
「生まれつきでさ、父の髪の毛の色って母に教えてもらったら黒く染められないよなぁ…… 」
地毛だった。染めて無かったんだ。この色だと俺の分からない苦労があったと思う。
ふわり。
「思ったより、柔らかいな? ジョンより、ふわふわだ…… 」
この時、お互いに動きが止まっていたと思う。
ハッと気がつくと、ライトの頭を撫でていた。
「わっ! す、すまん! つい…… 」
ライトは口を半開きにしたまま、俺を見ていた。
「いや、その……? なぜか、だな。手がかってに…… 」
俺は焦った。
「リウでも、そんなカオするんだな」
クスリとライトは笑って言った。
「ありがとな、リウ」
少し頬を染めて笑うライト。俺は、頭から手のひらを頬へ下げた。
「…… 」
いつもニコニコと笑っているけど、大変だっただろう。じっとライトをみていた。
「り、リウ!? 」
ライトが真っ赤になって俺の手首を掴んだ。
「ん? 」
掴まれた手首を見た。
「い、イケメンパワー全開だから! 何だよ、その色気は!? 母と妹だけじゃなく、俺まで色気を振りまくなよ! 」
かぁぁぁあー!っと真っ赤になって俺に訴えてきた。
「?? イケメンパワー? 色気? 何の事だ? 」
訳が分からずライトに聞いた。
「おま……! お前、天然だなっ! 」
ライトは掴んでいた手首を離し少しのけ反り、真っ赤な顔を手の甲で隠した。
「天然? 」
俺は怪訝な顔をした。何だ? 何が天然だ?
ライトはハァと息を吐いてテレビ画面の方へ体を向けた。
「とりあえず……、ゲームしようか? 」
納得がいかなかっが、せっかくゲームをやりにきたのでライトに従った。
横を向いたライトは、まだ顔が赤かった。
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