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はじまり
ただ日々を送っている町に
君は来たいと言った
別に何もない町だよ
それでも来たいと言う
しかたないな
友達が言うんだから
最近見つけた
ツバメの巣でも お目にかけるか
駅をおりて見渡す君
広ーい! と歓声
そういやそうだ
君の町は
帰り道が心配なほど
道が細かくて
気分いいねと君はごきげん
歩きながら伸びをする
僕の気づいていなかった
この町の良さを
いきなり満喫している
コンビニの前 さしかかった時
ちょっと待っててと
君にひと声掛けて
買ったソフトクリーム渡しながら
「喫茶店もないからよ」
ないことを逆に自慢してみた
バックは田園風景
ソフトクリームをなめながら
帽子を押さえている
そんな君が少女に見えて
結構いい町に住んでるよな
なんて思った
帰り際 今日はありがとうと
笑顔で言われて
それはこっちのセリフだよと
心から返した
人は1人でも生きていける
だけど誰かが居れば
豊かになれる
そんなふうに思わせる
君はすごい
オレの女友達すごくねぇ?
今度友人に話そう
紹介しろよ 言うかもな
オレの屍を越えろと言ってやろう
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