恋する士英館高校

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「「お願い事を叶えてくださってありがとうございましたっ」」 学校からの帰り道。美羽ちゃんと私は、いつもの神社に寄り道をしている。 2人で手を合わせて神様に感謝の言葉を伝えると、なんだか清々しい気持ちになった。 神様にちゃんと届いたのかな。そんな気がして、なんだか嬉しくなってしまう。 「ねぇ。ここの神様って何気に凄い神様なんじゃない? 」 「そうかもしれない。すっごく昔からここに祀られてるって、前にお爺ちゃんが言ってたよ。 この神様が祀られる前は、ここの土地って災害や不幸が続いて凄く荒れてたみたい」 「そうなんだ。今じゃあすっかり平和だもんね。さすが神様っ。ありがとうございますっ。 あ、てことは……桃にも訪れちゃうってことだ」 「え、何が? 」 「決まってるじゃん。素敵な恋だよっ」 こ……こ……恋? 美羽ちゃんの突然の言葉に、反射的に顔が熱くなる。 そういえば、美羽ちゃんがこの間の絵馬にそんなことを書いていた様な気がする。すっかり忘れてた。 「桃が誰と恋をするのか、今から楽しみだなぁ」 「あんまり期待しないでね。神様だって変なプレッシャーかけられてきっと迷惑だよ」 「えー? 期待するよっ。桃には幸せになってほしいもん」 そう言って笑った美羽ちゃんに、私も思い切り笑って見せる。 「私も美羽ちゃんには幸せになってほしいっ」 恋に興味が無いわけじゃないけど……。今は、美羽ちゃんとこうしているのが楽しい。 いつか、美羽ちゃんと土方先生が付き合うようになったりしたら。私たちの関係も変わっちゃうのかな。 美羽ちゃんが幸せになるのは凄く嬉しい。だけど少しだけ寂しい。 恋ってやっぱり、よく分からないや……。
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