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ホームルームが終わると、帰り支度を終えたクラスメイトたちが一斉に教室を出て行く。
「桃ー。帰る前に隼人さんを探しに行きたいんだけど良いかな」
「もちろん。部活の勧誘するから時間があったら顔出せって前に言ってたよね」
「ちゃんと覚えてて偉いぞ、桃っ。
あ、ねぇねぇ。隼人さんって普段からめちゃくちゃカッコいいけど、教壇に立ったら更にカッコよく見えない? 」
「うん、確かにそうかも。いつもの隼人さんはラフな格好だからかな、スーツ姿だと大人の男って感じで更に格好良かった」
「そうそうっ。あーっ、めちゃくちゃ格好良かったっ。好きーーーっ」
隣を歩いている美羽ちゃんが、今までかつてないテンションで隼人さんへの愛を叫ぶと、廊下にいた生徒達が何事かと次々に振り返った。
「ちょっ……美羽ちゃん声大きいよっ」
「だってぇ~、嬉しくて。ふふっ」
美羽ちゃんは、この日が来るのをずっとずっと心待ちにしてた。
私はそんな美羽ちゃんを、1番近くで見てきたから、嬉しくて叫びたくなっちゃう気持ちも凄くよく分かる。
嬉しそうな美羽ちゃんを見てたら、私まで嬉しくなってきちゃうよ。
「隼人さんが担任になって本当に良かったね」
「うんっ。桃が一緒にお願いしてくれたおかげだよ。本当にありがと」
「どういたしまして」
美羽ちゃんは本当に可愛い。こんな可愛い子に好きです。なんて言われたら、隼人さんもきっとドキドキしちゃうよね。私も見習わなきゃ。
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