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ノアは、ノックもせずに研究室のドアを開いた。
ノックをしたら、さっきまで遊んでいたVがあわてて机を片付けて、真面目に研究するそぶりをするかもしれないからだ。
こうしてノアは時々、抜き打ちでVの様子を見に行く。
案の定Vは、最新作のゲーム機をこちゃこちゃといじくりまわしていた。
時折ボサボサの髪をぐちゃぐちゃとかき回す。
白衣の下のTシャツは、いつも以上にヨレヨレだった。
「研究意欲というものが感じられませんね。」
ノアの冷たいセリフに振り向くV。
その顔がサッと青ざめた。
「いっ、いや、違うんだ!もう発明品ができたから、休息をとってるんだよ!」
腕をブンブンと振り回して、Vは力説する。
しかし、まったく説得力がない。
「では、その発明品とやらを見せてください。」
南極の氷よりも冷たい声をVに向かって吐くノア。
全く信頼というものが感じられない。
「し、しかし、今までで一番すごい発明だからね。未だに門外不出……。」
「そうですか、納得しました。」
ノアの言葉に、Vはホッと安堵の息をつく。
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