地球のみんな、よろしくね

1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

地球のみんな、よろしくね

ここは日本だけど日本じゃない。 みんながよく行くあの公園のあの滑り台の下に存在する小さな独立国家。 その名もみどりちゃん王国。 国民総数は5人。 そこに吾輩は存在する。 吾輩の名前はヒャンマ。 全身が緑色で覆われたとてもかんわゆいおんなのこである。必殺技はバレないようにスマホをいじるハイフォーン。吾輩はこの技を使って飛んでいた食料のハエを通算4回普通に取り逃した。 吾輩には同じくみどりちゃん王国の国民である2人の仲間がいる。2人もかんわゆいおんなのこだ。 1人目はアンコオだ。全身が緑色で覆われたアンコオは3人の中で1番背が高い。必殺技はつま先立ちでクルクルと回転し相手の体をはねとばすローリングアタック。アンコオはこの技を使って飛んでる食料のハエを通算5回取り逃した。 2人目はナミシドだ。全身が緑色で覆われたナミシドは3人の中で1番背が低い。必殺技は敵の懐に入り、両手でパンチをかますロケットパンチ。ナミシドはこの技を使い食料のハエを通算7回空の彼方へ吹っ飛ばした。 ここまででようやく違和感に気づいた人もいるかもしれない。 そう、吾輩たちは人間じゃない。 人間よりもずっとずっとずっと小さい宇宙人なのでした。 吾輩たちは3年前ギャバス星から遠路はるばるやってきた。地球を侵略しに来たわけではなく単なる慰安旅行として訪れたのだ。 日々の業務の疲れを癒そうと社長が提案し、社長と吾輩たち3人とザイドゥーンという名前の太った男とで地球にいらっしゃったわけだ。 しかし乗ってきた宇宙船が地球で故障してしまい、アンコオの叩けば直るという言葉を聞いたナミシドがロケットパンチをかまして粉砕したため仕方なくここに住み着いているというわけだ。 でも案外住み心地は悪くない。 ギャバス星では主食はもずくだったが、地球にきてハエという未知の食料の美味しさを発見することが出来た。 ハエ村長と協定を結んで今後3年間の食料を保証する3年契約を交わし、食べるものには困らないようにしてもらった。(ただし取り逃したものについては保証対象外) 吾輩たちはここ日本で超巨大な人型生物、通称人間にバレないよう静かに暮らし、ついには国家の建立にまで至った。 ちなみにみどりちゃん王国の国王は元社長のキーダ王だ。キーダ王はあまり喋らず、喋ったとしてもほとんど声ではなく息なので何を喋っているのか聞き取れないことが多い。 なのでだいたい適当に愛想笑いを浮かべて話を終わらせる。 しかし、そんな平和な生活をしていた吾輩たちの生活を脅かす悪の存在が蠢いていたことに気づいている国民はザイドゥーン以外いなかった……。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!