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『アキにとっての1番は、私じゃなくなったでしょ?電話だって最近は寝る前に少しお話して寝ちゃうでしょ?』
『それは!大会近くて練習があったし、ホノもライブとかあって、中々電話できない日もあったよね?』
今までだって、会えない日が続いてしまった事があったけど。。1番じゃないって何だ?
ほのみを見ると、泣きそうな顔で俺を見つめていた。
『ね、前にさ。話を聞いてほしいって電話したの覚えてる?会いに行きたくて電話したけど無理だってアキに言われたの。』
は?無理って!俺が言った…?
いつだ。何で断ったんだ?そんか思いが顔に出たのか、ほのみは困った表情で話し始めた。
『マネージャーさんと食事の約束してて。その後飲み会に行くから、無理だって。でも私も結構限界で飲み会終わったあとで良いから会いたいって言ったけど、アキ…今日は無理だって!』
あぁ、あの時か…。
一つ下のマネージャーは、サッカーが大好きで昔は女子のチームでやってたらしい。
ケガでプレーヤーを諦めたと聞いた。
だからか、他のマネージャー達と温度差があったり、元々気が強い性格なのか口調も上から言ってしまう事が多々あった。
キャプテンの相田とマネージャーの雪菜と3人で食事をしながら、どうにか馴染める様にアドバイスをして、その後サークルの飲み会に合流した時の事か…。
俺の都合で遅くまで待たせるよりは日を改めてっていうつもりで断ったのを思い出した。
『あの日は、早目に帰るのが難しそうだったから、ホノを遅くまで待たせたくなくて。
日を改めてって、思ってた。でも、あの後ホノも忙しくなって、中々電話やLINEも出来なかったから。だけど!俺にとって1番大事なのはホノだよ。』
ほのみが、何かに悩んでいるのはわかったから、次の日すぐにLINEをした。平日だけど会いに行くつもりで。だけど、既読もつかないし、電話も出ない。
1週間過ぎた頃には、ほのみはいつも通りだったし、もう、大丈夫だと言っていた。
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