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5年の重さ …暁人…
青天の霹靂。
今の俺にぴったりハマる言葉だと思う。
[会って話がしたいの。時間ある?]
高校1年から付き合って5年のほのみから改まって連絡がきた。最近はお互いサークルや実習で会えてはなかったけど、電話したりLINEしたり今までと変わりなく過ごしていたはずだった。
『ねえ、アキ。私たちって何だろうね…』
久しぶりに会ったほのみは、長かった髪を顎のラインまでばっさり切っていた。
似合ってる。似合ってはいるけど…
『…どうした?何かあった?』
どこか、違和感を感じながらも平静を装ってほのみを見つめていた。
『……。もう、お別れしたい。アキから愛されてる自信もなくなっちゃったし、私もアキの事好きなのかわからなくなっちゃった。』
少し俯き加減で、ぽつりと話し始めた。
何故、俺の気持ちを疑ったんだろうか…。
『俺は、今もこれからも、ホノを好きな気持ちに変わりはないよ。
ねえ、ホノ。何で俺から愛されてないかも?って思ったの?』
ホノが体調によって不安定になったりして、小さなケンカはよくあったけど、この5年、別れ話になる様なケンカはなかったと思う。
今、不安定になるような事があるんだろうか?
『…お互い、忙しいから中々会えないのは仕方ないってわかってる。私、大学で色々あってねアキに会って聞いて欲しかったの。
でもね、でも。。
アキに相談したくても出来なくて、でも、辛くて。』
ふっと、思い出したのは、最近電話をしても疲れて寝てしまったり、会えるはずの週末に予定が入ってしまったり。そんな出来事だった。
『そんなに辛かったら、家に来たら良かったでしょ?俺、サークルあったりしても夜はホノと過ごせたよ?いつも、そうしてたでしょ?俺に言いづらい事だった?』
ハッとした様な顔をしたほのみは、一瞬躊躇いを見せたけど、すぐに決心した様な表情で話し始めた。
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