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「イイ女ぶらなくてもいいんじゃない?」
「え?」
「真理亜ちゃんは、ことりちゃんと違う方面でちょっといい子過ぎる」
「そうですかね」
「うんそう。ま、モッカ以外にもいい男はいるよ、たくさんね」
「あははっ、ですね!」
明るく前向きに受け止めてくれた会長に、救われた気がした。
もし、もっと話し合ったらとか、諦めていいのかなんて言われたら落ち込んでいたし辛い気持ちになった。
でも、私の性格を多少なりと分かってくれているからだろう。
そう言ってくれる会長を、今日はほんの少しかっこいいと思えた。
まぁ好きになるって感情とは別だけど。
私は今までに会長に対してかっこいいとか、そういうことを感じたことがなかった。
けれど、今日はやけに気づくことができた。
それはつまり、私にも成長と気づきの力が備わったせいなのかもしれない。
だから―――素敵な人にはこれからもっと出会えるんじゃないのかなって。
そんな気がする。
―――コト、ここにも応援してるくれる素敵な人がいるんだよ?
気持ちが届けばいいなと願いながら、透明を感じる青空を見上げると、身体にすっと気持ちのいい風が通って行った。
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