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 「よーブラック。おはようさんっ」  「うわっ、白田さんっ。僕はブラックじゃないですって」  「はいはい。ブラックは得てして自分をブラックと思ってないんだって」  「いやー、そうじゃないですけど」  肩をバンバンと叩かれながら、いや、やっぱり自分はブラックなのかなと思っていたら、急に小声で白田さんが近くで話してきた。  「って―かお前さ。ほんとに新採に手を出しただろ」  「は……」  「ピヨちゃん。心あたり、ないとは言わせないけど?」  ニヤニヤ笑う顔がたまらなくブラックじゃないかと思うけど、それを言い返すこともできずに、ウッと声を詰まらせた。  どうしてか確証を得ているようなその顔が、どうにも崩せそうにない。  「城田、今日帰り空いてるよな」  「……ですね」  「ハイ決まり。行くぞ」  先輩命令故、逃げることはできなさそうだ。  僕は意を決して、これは本心を打ち明けなければならないだろうなと腹を括る準備をした。
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