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 お父さん、お母さん、皇星。  真理亜に、ななちゃん。会長に、リンさん、モッカ。それから……城田さん。  たくさんの人に出会って、いいことも悪いことも、辛いことも、楽しいことも、悲しいことも。  いっぱいあった。  でもそれらが一つ一つ折り重なって、今がある。  私たちだけじゃなくて、みんなが居たから今がある。  その気持ちを忘れちゃいけない。  音楽が鳴り響いて、新郎新婦の退場の合図がかかる。  腕をぐいと引っ張られて顔を上げると、ちぃくんと目があった。  優しく私を包んで、掴んで、離さないその瞳が、私だけに向けられている幸せ。    その微笑みに私もつられて口角を引き上げると、ニッとちぃくんも笑ってくれた。  「行こう、ことちゃん」  「はいっ」  差し出された腕に腕を絡ませると、足並みをそろえて一歩踏み出した。  そのタイミングがあまりにぴったりで、誇らしくなってしまう。  両サイドからみんなに見つめられる中、バージンロードを見つめると、その先が白くまばゆくて、どこまでも続いていくように見える。  でも怖くはない。  だって私の隣には、ちぃくんがいて……そんな私たちのことを、たくさんの人たちが見つめて支えてくれていることを知っているから。    ねぇちぃくん。  ずっと、私の隣でいてね。  私もずっと、あなたの隣にいるから。  ちぃくんと、ことちゃんで。  ずっと、ずーっと。  ちぃこと END   2019.10.03  桜倉 ちひろ 
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