一週間の間

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まるで子供のようにねだる父さんに母さんは呆れながら少し嫌がらせのように獅子唐の天ぷらを父さんに食べさせたが父さんは「ありがとう、とても美味しいよ」と言って美味しそうに食べている。ちょっとは昔の家族の戻れたかなと俺は思いながら鰻を頬張った。 「赤、頬張り過ぎだぞ。そんなに上手かったのか?」 「あぁ、めちゃくちゃ上手すぎるよ」 俺は口いっぱいに鰻を頬張って食うとこの時間があまりにも幸せ過ぎてつい涙が出てしまった。そんな俺の泣く姿を見た両親二人は少し目を見開き父さんなんかオロオロし始めた。 「せ、赤? だ、大丈夫か?」 父さんはこういうのにはとても弱い。だからどうしたら良いのか分からなかったのか自分の鰻を俺にくれた。 「ほら、俺の分もやるから食え。上手かったんだろ」 そう言って父さんは優しく笑った。母さんは何かを見透かす鋭い目で俺を見て母さんも最後に残った海老の天ぷらを俺にくれた。 「食べていいわよ。もうお腹いっぱいだから」 「母さん……ありがとう」 俺は幸せでいっぱいになりながら鰻と天ぷらを食べてると突然、うな重の一人分が俺の前に置かれて、鰻を焼いている店長さんが持ってきてくれた。 「あ、あの。俺、頼んでませんよ」 「良い! 俺はあんたが幸せそうにうちの鰻を食べてくれただけで嬉しいよ。それにこんなに幸せそうに食べてくれたのは初めてだ。ありがとうな」 あぁ、今日の俺はとても幸せだよ。
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