一週間の間

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俺は簪を買い残りのお金を何に使うか考えた。次は幸のお土産も買いたいが何が良いか俺は深く考える。 「幸は何が良いかな。やっぱり本とか……」 幸の土産を考えながら歩くと何処からか甘い匂いがした。俺は甘い匂いにつられて無意識に歩くと店の前に立ち止まった。 「………花?」 花と漢字で書かれた看板があったが店の周りには花の一つも無くもしかしたら店の中にあるのかなと思い俺は店の中に入ることにした。 「いらっしゃいませ」 店の中に入ると中には花の形をした和菓子が硝子のケースの中にずらりと並んでいた。 「……凄い。まるで本物みたいだ」 「此処にあるのは全て手で一つ一つ丁寧に作られたのですよ」 「そうなんですか」 女性定員さんは硝子ケースの前に立って丁寧に説明をしてくれた。俺は硝子ケースに並べられている花の和菓子を見てこれを幸のお土産にしようと考えた。するとお店の女性定員さんが何やらチラシを渡してくれた。どうやら此処で和菓子体験があるみたいだ。しかもチラシの左端に「自分で作った和菓子を友達にあげよう」と書かれてあった。 「実は和菓子を作る体験がやっておりますので良かったらどうです。自分が作った和菓子は持って帰れますよ」 やってみようかな思って俺は体験をする事にした。 「……その、今からでも大丈夫ですか?」 「えぇ、まだ人もそんなに集まっていませんが大丈夫ですよ。では、ご案内します。紅葉ちゃーん!」 「はーい。今行きますから待ってください」 女性定員さんは大きな声を出して誰かの名前を呼ぶとそれに返事をした人が着物姿でこちらに来た。 「向日葵姐さん、どうし……あっ! お客様、いらっしゃいませ。もしかして体験の方ですか」 「そうよ。ご案内してあげて」 紅葉と呼ばれた人は紅葉のような髪色でとても赤い目をしていてまるで本当に紅葉のような人だった。 「はい! 私の名前は木葉紅葉と言います。今日の体験は私が教えますのでよろしくお願いします」 「申し遅れました。私の名前は向日葵と言います。ここの店長です、よろしく」 紅葉さんと向日葵さんは自己紹介をしてくれたので俺も流れ的に自己紹介をした。 「……えっと、彼花 赤です」 「では赤さん、ご案内しますので付いてきてください」 「はい、よろしくお願いします」 俺は紅葉さんに付いていくとどうやらこのお店の二階が体験場所みたいだけどまだ誰も居なかった。 「ここが和菓子を作る調理場です。お好きな所に座って待ってて下さい」 「……分かりました」 俺は適当に座って特にすることは無かったから携帯を弄っていると男の人の声が聞こえ俺は声の聞こえる方に向くと男の人と目があってしまった。 「おっ、なんや。一番乗りやないんか」 なんだかとても変わった喋り方をする人だなと俺は思いながら俺はとりあえず頭を下げた。 「もしかして、君も体験に来たん? 見る限り俺と同い年見たいやし仲良~しよ。俺の名前は阿川 朔(あがわ さく)や。よろしゅう」 「俺の名前は彼花 赤だ。よろしく」 俺も自己紹介をすると阿川さんは目を輝かせながら俺の隣の椅子に座った。かなりマイペースでフレンドリーだな。 「なぁなぁ、何で赤は体験に来たん?」 「友達の土産にしようかと思ったんだ。……でも、和菓子を作るのは初めてだから上手くいかないと思うけど」
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