一週間の間

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俺は朔の笑う顔を見てちょっと元気が出た。なんだか励まされた感じがする。 「ありがとう。お陰で目が覚めたような感じがするよ」 「なんや、寝不足か?」 「あはは、違うよ」 朔と笑いあっているとレンジのチンする音が鳴り俺はボウルを取り出してまた混ぜ始めた。混ぜ終えると朔は次の準備に取りかかった。 「ほな、次は求肥を作るで。これは簡単やし家にあるものですぐ作れるで」 「牛脂?」 「ちゃうちゃう! ぎゅうしやなくてぎゅうひや。まぁ、ほとんどの人はよう間違えるけど。俺も最初はよう間違えてたわ」 次は、ぎゅうし……じゃなくて、求肥を作り始めた。材料は白玉粉、砂糖、水だけで本当に何処の家庭でも置いてありそうだ。 「まずは少し小さい容器に白玉粉、砂糖、水を入れてよくかき混ぜて、レンジで30秒から1分の間様子を見ながら温める」 俺は言われた通り材料を小さい容器に入れて混ぜる。これはそんなに大変じゃないなと思った。 「ほな温めようか。ここからちょっと面白いもんが見られるで。よう見ときや」 面白いものとは何だと思いながら俺はレンジの中を見てしばらくすると容器に混ぜた材料がぷくーと膨れ上がった。 「凄い、膨れてる」 「おし、ほな取り出すで」 朔が求肥を取り出すとさっきの膨らみは無く萎んでしまっていた。 「どや? おもろかったやろ」 「あぁ、まるで風船みたいだったよ。次はどうするんだ?」 「次はスプーンでよう混ぜて艶とコシが出たら求肥の完成や。ほんで、出来た求肥は餡の中に入れてヘラかなんかで馴染ませてからオーブンシートに取り出してこねるように練る」 「……成る程、やってみるよ」 「なんかあったら呼んでや。教えたるし」
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