一週間の間

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俺は朔に教えて貰った通りにやる。次に餡に求肥を入れてヘラで混ぜてからオーブンシートで練るように混ぜるのがまた大変だった。一応、教えて貰った手順でやってみたが次にどうすればいいのか分からなかったから俺は朔に聞いてみた。 「朔、餡が練り終わったんだが次はどうすれば良い?」 「ほんまか? お、ええ感じに馴染んでるやん。ほな次はこの餡を小さくちぎって冷ます。それからまたまとめてを2〜3回繰り返して出来上がりや」 「ま、また練るのか」 俺が少し汗を流して聞くと朔は満笑な笑みで「そやで」と笑った。やっぱり和菓子は難しく奥が深いな。 「ほな、交代でやるか?」 「でも、朔もまだ作ってる途中だろ」 俺は朔に手伝ってもらうのが少し申し訳なく思いながら言うが、朔は「まぁ、まだ半分しか作ってへんけど」と言う。半分しか? 「半分? まだ完成してないのか?」 「ん? あぁ、まだ完成してへんやつがあるねん。どんな花にしようか悩んでてな」 俺は朔が作ってる和菓子を見て凄く驚いた。完成の和菓子が机に並べられ、まるで其処は花畑のような感じがした。 「これ全部、朔一人で……」 俺が驚いていると、回りの人達も朔の作った和菓子に驚き紅葉さんも様子を見に来ると「凄いわ、一人でこんなに作ったの!」と驚きながら言っていた。 「朔君、今日も凄いわ! いつか私達のお店に来てくれる事を楽しみにしているわ」 「紅葉さん、俺はまだまだですよ」 「朔は紅葉さんと知り合いなのか?」 「せやで、俺は結構色んな所の体験に行ってんねん。中でもここがよう気に入ってるし。俺が和菓子を作りたいって思ったのも此処やからな。成人したら此処で俺、働くねん」 「朔君は夢が大きくて素敵ね。早く大人になってくれないかな」 「……そうなのか」 一瞬、何かモヤっとした。何かとても黒くて禍々しい何かが俺の胸にあった感覚が胸辺りに感じ俺は右手で自分の胸を握るかのように服を握っていた。 「赤、どないしたんや? 」 朔は心配した顔をして除き混むように俺の顔を見ると回りにいた紅葉さんや他の人も「大丈夫?」と心配してくれた。
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