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朔は心配した顔をして除き混むように俺の顔を見ると回りにいた紅葉さんや他の人も「大丈夫?」と心配してくれた。
「大丈夫です。ちょっと疲れてるみたいで。餡を練るのがこんなにも大変な作業で……」
「ほな、これやるわ」
俺は誤魔化そうと疲れていると嘘を付くと朔が何処から出したか分からないがおはぎを出して俺にくれた。
「疲れた時には甘いもんや。赤にやる!」
「良いのか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。すると朔は少し照れてるように顔を赤らめ右手の人差し指でポリポリと頬を掻いた。
「じ、実はそれ、俺が作ったやつやねん。あんこも、最初っから作ったんや。俺の自信作やし、赤が食うてくれへん? ほんで感想聞かしてや」
「……ありがとう」
あぁ、涙が出そうだ。俺はそんな気持ちを押さえながら頑張って笑い朔が作ったおはぎを受け取った。それを見た紅葉さんは手を叩いて『じゃあ、休憩しましょうか』と周りに伝えるように大きな声で言った。するとタイミング良く向日葵さんが来たが向日葵さんの姿が最初に会った着物姿ではなくまるで和菓子を作る職人さんのような格好をしていた。
「そろそろ休憩する頃だと思って和菓子を作ったの。良かったら皆さんで食べてください」
向日葵さんはそう言い手に持っているお盆を長いテーブルの上に置くと子供達が向日葵さんの所に集まり向日葵さんは子供達の頭を順番に撫でていた。
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