一週間の間

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二日目 携帯のアラームで目が覚め顔を洗いに洗面所に行くと父さんと母さんは既に起きていて俺は二人に朝の挨拶を言った。 「父さん、母さん、おはよう」 「赤、おはよう」 「おはよう、さっさと顔を洗ってきなさい。そろそろ行くわよ」 俺は急いで顔を洗い服を着替え、歯を磨いて父さん達のいるリビングに行く。 「準備出来たよ」 「じゃあ行くわよ」 「えっ、でも、俺、朝ごはんがまだ」 「母さんがお弁当作ったから大丈夫だ。車の中で食べよう。ピクニックっぽくって良いだろ」 「そうだな、何だかわくわくするよ」 「あなた達二人は幼稚園児? 早く行くわよ」 玄関を出て父さんの車に乗り出発した。車に乗って母さんの作ってくれた弁当を食べ温泉に着くまで絵を描いたりして暇を潰していると車が止まった。 「着いたぞ」 「結構良いじゃない」 俺達の前にあった建物はとても立派な旅館 で俺達はまず荷物を置きに旅館に入った。 「彼花御一行様ですね。どうぞ此方え」 とても若い女将みたいな人が丁寧に部屋の案内をしてくれて部屋に着くと、とても広く、正直一泊なのが勿体ないなと思ってしまった。 「じゃあ、荷物置いたらここの温泉に入るか。ここの温泉は色々と効くって評判らしいぞ」 「何に効くのかもっと具体的に教えなさいよ」 父さんと母さんがそう話していると俺はふと思った。俺の病気にも効くのかなっと。まぁ、流石に効くわけないと俺は思いタオル等を持って父さんと温泉に向かった。俺達は男湯と女湯で別れ俺と父さんは服を脱ぎ下をタオルで巻き温泉に浸かった。 「気持ちいいなぁ~。なぁ、赤」 「うん、温泉に浸かったの生まれて始めてだから結構気持ちいいよ」 「温泉に浸かったら色んな所に回るぞ。温泉まんじゅうとか色んな食べ物があるし、温泉卵も良いな」 「父さんは食べ物ばっかりだな」 「今のうちに上手いもん食っとかないとまたいつ行けるか分からないしな」 「……そうだね」 父さんと話しているうちに少し逆上せてきて父さんと風呂に上がり着物に着替えて出ると父さんが冷たいフルーツ牛乳を買ってくれた。 「ぷはぁ~。上手いな、やっぱり風呂上がりにはフルーツ牛乳に限る」 「フルーツ牛乳……始めて飲んだ」 「そっか、赤は飲むの始めてだったな。じゃあ、これを機会に始めての事を沢山するか」 「あぁ!」 フルーツ牛乳を飲みほし部屋に戻ると母さんはまだ戻っていなかったから俺と父さんで部屋で話をながら母さんを待っていた。数分してから母さんは部屋に戻って来て髪をタオルで拭きながら部屋に入った。 「あら、もう上がってたの」 「あぁ、赤が少し逆上せてたからな。それじゃ三人揃ったし行くか」 「行くって?」 父さんはウキウキしながら何処かに行くみたいだが着物を着たまま何処に行くのかとても分からなかった。父さんは「行けば分かる」と言うだけで教えてはくれず母さんは知っているのか知らないのかどっちか分からなかったが聞かなかった。そして俺は父さんの後に着いていき歩いた。しばらく歩いていると外にはお店があり人がそんなにいっぱいではないが結構いた。 「凄い……色んな店がある」 「だろ、じゃあまずは俺のオススメの足湯に行くぞ」 俺達は父さんがとても気に入っている足湯に向かうと既に足湯に浸かっている人が居てとても気持ち良さそうにしていた。 「赤、熱いからゆっくり入れろよ」 俺は恐る恐る足をゆっくり入れると少し熱かったがその熱さもなくなりとても気持ち良くて暖かかった。 「凄く暖かくて気持ちいい。心がホッとするよ」 「だろ、ゆっくりしてろよ」 しばらくすると人が少しずつ増えていきそろそろかなと思ったら父さんが居なかったから隣にいた母さんに聞いてみたが「知らない」と言って俺は辺りをキョロキョロしてると父さんが何か持ってこっちに走って来た。
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