0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
第6話 伊勢屋 藤八朗 の悪事
ある朝の事。
お悠は長屋の近くの豆腐屋に向かっていた。
お悠
「おはよう。」と言って…
豆腐屋の引き戸に手を掛けたが、開かない・・
いつもなら、臨時休業と思って帰るところだが、お悠は血の臭いを知っていた。
すぐに裏口に廻って器用に鍵を外し戸を開けた。
そこには、豆腐屋の主人と娘のお菊が 血を流して倒れていた。
袈裟懸けにバッサリと斬られ、
相手は かなりの剣の達人と見た。
「お菊ちゃん…この怨みは必ず晴らしてあげるからね…! 」
と お悠は固い決意をし…調べを始めた。
深川町のヨネ助☆というのが どうも関係している事を突き止め、
闇夜に待ち伏せして…問いただす事にした。
お悠
「ヨネ助!私は 天満町の お菊という娘の仇討ちの使者だ!嘘偽りを言うと即刻お命頂戴だぞ!」
「はあ、これは恐いお人じゃ!もちろん包み隠さず申します!」
ヨネ助によると、殺しの首謀者は 悪い噂の多い・・
代官の 鳥羽 吉右衛門と、
海産物問屋の伊勢屋籐八郎だと言う。
お悠は 代官の鳥羽の屋敷に忍び込んだ。
そして、天井裏から偵察を開始した。
代官 鳥羽吉右衛門
「おい!この間の豆腐屋の主人と娘を試し斬りした件は 闇に葬るぞ!
町方のほうは大丈夫なんだろうな!」
伊勢屋籐八郎
「鳥羽さま、あれは暑けの仕業!背中に刀傷が有ることなど、全て口封じしております。
それより、麹町に遊郭を作る件・・
何とぞ 御認可のほどを・・ 」
鳥羽「分かっておる! 伊勢屋、お前も相当の悪じゃのう!はっはっは!」
最初のコメントを投稿しよう!