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第7話
今日は入学式当日。
ちょっと緊張するなぁ…
「行こ！たかちゃん外で待ってるよ」
「う、うんっ」
外へ出ると貴世くんが壁にもたれて待っていた。
なんか、様になってる。
「お待たせ〜」
「おー、行こうぜ」
「おはよう、貴世くん」
「はよ、尋衣」
貴世くんとも名前呼びすることになった。
な、なんかくすぐったいな…
「え〜なに〜？この雰囲気〜」
「は？」
「なんか、恋人みたいだよ？」
……えぇっ！！
「なっ、何言ってるの華江くん…っ！」
「お前なぁ、そういう馬鹿なこと言うのやめろよな」
話しながら校舎へ向かう。
教室に入る前から知ってる人がいるのは良いなぁ
「大体俺はな…」
貴世くんは華江くんを見つめながら、そこまで言って黙った。
んん…？
「ん？何、たかちゃん」
「何でもねーよ、ばーか」
貴世くんが華江くんにデコピンをかましたところで、僕達は入学式の会場(ホール)に着いた。
「えーと、5組は…あっちだ！」
「人多いからな…はぐれんなよ」
「う、うん」
僕達のクラスの席は、1階の奥の方みたいだ。
すごい人数だ。
始業式も兼ねて行うらしいから、高等部の生徒全員がこのホールに集まっているらしい。
「「キャアアアアアアア！！」」
男子しかいないこの学校で、黄色い歓声が上がった。
びっくりしたよ…あんな声出るんだな
「しーくんも、いるのかな…」
「い、行っちゃダメだよひーくん…！」
分かってる…でも、会いたいよ…しーくん。
「…！」
「どうした？獅堂」
「…いや、なんでも。」
入学式はとても長い。
なんてったって来賓が多いからね…
「次何？」
「新入生代表の挨拶だろ？確か、代表は桐生だろ？」
「えっ、しーくん…！？」
知らなかった…
「まあ、当然だよ。一応僕らも入試の問題はやるんだけど、獅堂くんはトップだったからね。」
「…すごいなぁ、しーくん」
『新入生代表、桐生獅堂』
「獅堂様だ…！」
「かっこいい…！」
その姿が現れるだけで、周りの人の目を奪ってしまう。
青みがかった黒髪に、青い瞳。
すごく、背が伸びたんだなぁ…
あと、かっこよくなった。
あんなに一緒だったのに、何故だか今は
「…遠い、」
スラスラと挨拶を読んでいく幼馴染みは、何故だかとても遠くに感じた。
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