第8話

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第8話

入学式は始業式を入れて、3時間ぐらいで終わった。 今はお昼休み。 食堂に来ています。 「うあー、あんま来たくなかった…」 「どうして?」 「食堂。だってさ…」 「「キャアアアアアアア!!」」 華江くんの言葉を遮るように、物凄い歓声が聞こえた。 生徒会の人達かな? 「うげ、風紀委員もいるじゃねぇかよ…」 確かに、入学式の時よりも歓声がすごい気がする。 「風紀委員も人気なんだ?」 「まぁな。生徒会派か風紀委員派かで対立するぐらいだ。」 「た、大変だね…」 「ちょっと!ひろくんの場合は他人事じゃないんだよ?」 「そうだぞ尋衣。お前は桐生獅堂の幼馴染みっていう、ここじゃ危ねぇ立場なんだ」 「そうそう!」 「う、うん…?」 「「ダメだこりゃ…」」 ええ… な、何さ、僕ってそんなに鈍感なわけ…?(そうだよ) 「あっ!!」 突然そんな声が聞こえた。 それは、聞いたことのある声だった。 「尋衣っ…!」 しーくんだった。 こっちに駆け寄ってくる。 「しーく、」 ふわりと、しーくんの香りに包まれる。 「尋衣…!会いたかった…!」 「しーくん…僕も…!」 こんなに気持が溢れてしまう。 しーくんは僕の、かけがえのない友だち。
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