第10話

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第10話

次の日。 同じクラスに華江くんと貴世くんがいるのはいいけど、2人とも学科がちがう。 午後の授業、どうしよ… 「え?あいつ歌手科なの?」 「外部の奴なんてたかが知れてるよ。どうせ大したことないんでしょ?」 「ルックスもあれじゃな…」 はい。皆さんの言う通りです。 僕なんて大したことありません。 だから注目しないで……! 「なんか注目されるのやだけど、ひーくんのこと平凡とか言ってる奴ぶん投げたい…」← 「ご最もだなハナ」← 「や、やめてね!」 なんか昨日から2人とも物騒だよ… 頼むから怪我しないでね 「おーい静かにしろー」 気だるそうな人が教室に入ってきた。 先生、かな? 髪ボサボサでメガネしてる。 「今日から3年間お前らの担任になる染谷 愛九郎 (そめや あいくろう)だ。歌手科の担当だ。」 うわ、見えないなぁー… 「午後から学科の授業になるから、気をつけろよ。中等部より広いからな。」 「先生、タバコ良くないですよー笑」 「うるせぇよ……抱き潰すぞ」 …………?? 「「キャアアアアアアア!」」 「抱いてー!」 「ヤバっ…カッコよすぎ…!」 な、ななななな何今の…! 「うわぁ…出たよ、愛ちゃんの言葉攻め」 「なっ、何それ」 「あの染谷 愛九郎ってのは、言葉でいじめてくる厄介な奴だ。あれで何人も落として部屋に連れ込んでるって噂」 あわわ…怖い人だ… 気を付けよう。 「あー、あとは…風紀委員だが、うちのクラスから選ばれた。」 「えっ…まじ?」 「えー!誰だろう?」 1年生からも選ばれるんだ… 風紀委員って怖そうだな 「深山、お前だ」 「えっ」 「ひ、ひーくん…!?」 「嘘だろ…!」 1年5組は絶叫に溢れかえった。 叫びたいのは僕だよ……!! 「ちょっ、なんで外部生が!」 「もっと相応しい人がいるでしょ!」 「理事長の命令だ。覆ることはねぇよ」 し、獅之助さんの…? 「で、深山。早速だが、お前は午後から風紀委員に合流だ。風紀室行けよ。じゃ、かいさーん」 な、なんてこった… 自分から地獄に足を突っ込むようなことだ。 周りからは冷たい目で見られる。 「し、死んでくるね…」 「ひーくんしっかりぃーー!!」 「目が完全にいってるぞこれ…」 母さん、僕死んじゃうかも…
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