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第1話
4月。
あの電話から約半年後。
今日は入寮の日。
「忘れ物ない?大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
「頑張るのよ〜しーくんと獅之助さんによろしくね〜」
「うん、行ってくるね!」
母さんに手を振って玄関を出た。
ガチャンと扉を閉めて振り返ると、
「…え?リ、リムジン?」
長くて黒い車。
助席から執事みたいな人が降りてくる。
「深山尋衣様、ですね?お待ちしておりました。」
「は、はい。あの…」
「私は花ヶ前学園の平賀(ひらが)と申します。本日は理事長から貴方をお迎えにあがるようにと言われ参りました。」
「そ、そうなんですね。わざわざすみません」
「いえ、これが務めですので!」
車からもう1人出てきて、「荷物はこちらにお積みします」と言って、僕のキャリーケースを後ろに積んだ。
「尋衣様はこちらです。」
平賀さんに促され、車に乗り込む。
うわぁ、リムジンなんて初めて乗った…!
「よし、出してください。」
平賀さんが運転手さんにそう言うと、車が発進する。
「尋衣様、学園に到着しましたら、まず理事長室へ来るように理事長から言われています」
「あ、はい、分かりました」
乗ったはいいものの。
お、落ち着かない…っ!
広いし、広いし、広いしか思いつかない()
「ふふ、リムジンは初めてですか?」
「は、はい!あの、広いですね!」←
「あはは、そうですね」
う、なんか恥ずかしいぞ…
車は30分程走り、目的地の花ヶ前学園に到着した。
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