第16話

1/1
205人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ

第16話

「ひーくん、何もされなかった?」 それを聞かれて、僕は少しギクッとした。 神崎先輩の顔が浮かぶ。 顔に熱が集まる。 「されたんだ。よし殴り込み行くけどたかちゃん来る?」← 「あたぼーよ」← 「まっ、待って大丈夫だよ」 「じゃあ何されたの?」 「うっ…えと…キ、キスと、あと腰…触られた」 「はい殴り込み」← 「ダメだってば…!」 最近ホントに物騒だな2人とも…。 悪いことされてないし、大丈夫なんだけど… 「顔は?見られたのか?」 「というか、風紀委員の人達は理事長に見せてもらってたみたいで…」 「「はぁ?」」 「……(びっくりしてる)」 「理事長も血祭り…」← 「それはホントにダメなやつ…!!」 「ひーくん、一緒にお風呂行こ!」 「うん」 驚くことに、この学園は大浴場もある。 ホテルみたい…。 「行くのいいけど、マジで風呂は気をつけろよ尋衣。」 「?うん、?」 「(マジかこいつ…)」 「たかちゃん大丈夫!僕がついてるから!」 「ハナ、間違っても大浴場を血の海にするなよ」← 「しないよぉ〜HAHAHA」← 華江くんに腕を引かれて、部屋を出る。 確かに、お風呂は顔が見えやすいし、気をつけなきゃ。 「ひーくんさ、何で顔見られたらまずいか分かってる?」 「え?それは…人気者のしーくんの幼馴染みがこんな平凡な顔してたら殴られるから……」 と言うと、華江くんは手で顔を抑えてため息を着いていた。 な、なぜ 「……ホントにもう…ひーくんの鈍感は底が知れないよ」 「え?違うの…?」 「違うよ。もう…」 そんなことを話してるうちに、大浴場に到着。 大浴場って4つあるんだ…。多いな。しかも広いし。 「お、ここいっぱい空いてる!」 「ここにしよ!」と華江くんに言われて、ロッカーに荷物を置く。 服を脱ぎ始めると、視線を感じた。 「は、華江くんなに?」 「いやいいよ。そのまま脱いで」← 「でも、あんまり見られると恥ずかしい…」 ジロジロと華江くんは僕の身体を見てくる。 や、やめて…!貧相だから! 「わぁお、」 「も、もう!1回見たでしょ!」 「いやでもほら。ホントに白いな〜って」 「もう…」 華江くん脱ぐの早いな! 恥ずかしすぎて顔が熱くなる。 「ひーくん、お尻おっきいね」← 「なっ…!き、気にしてるのに…!」 「あは、女の子みたいで可愛い〜」 「や、やめてよ…」 隠すように腰にタオルを巻く。 もう、華江くんてば…。 浴場のドアを開けると、ものすごい人の数と、いくつもの湯船。 「なにこれ…」 「花ヶ前はね、世界の温泉を調べて体験できるようになってるんだ。」 「す、すごい…!」 「だよね。今から入るのはヨーロッパの温泉だよ」 「ヨーロッパ!」 ホントにすごい学校だな…。 「「あー!ひろたんだー!」」 「え…真緒先輩、由緒先輩!」 「やっほー✩︎」 「ひろたんもお風呂?」 「は、はい」 この2人がいるってことは…
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!