205人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
第16話
「ひーくん、何もされなかった?」
それを聞かれて、僕は少しギクッとした。
神崎先輩の顔が浮かぶ。
顔に熱が集まる。
「されたんだ。よし殴り込み行くけどたかちゃん来る?」←
「あたぼーよ」←
「まっ、待って大丈夫だよ」
「じゃあ何されたの?」
「うっ…えと…キ、キスと、あと腰…触られた」
「はい殴り込み」←
「ダメだってば…!」
最近ホントに物騒だな2人とも…。
悪いことされてないし、大丈夫なんだけど…
「顔は?見られたのか?」
「というか、風紀委員の人達は理事長に見せてもらってたみたいで…」
「「はぁ?」」
「……(びっくりしてる)」
「理事長も血祭り…」←
「それはホントにダメなやつ…!!」
「ひーくん、一緒にお風呂行こ!」
「うん」
驚くことに、この学園は大浴場もある。
ホテルみたい…。
「行くのいいけど、マジで風呂は気をつけろよ尋衣。」
「?うん、?」
「(マジかこいつ…)」
「たかちゃん大丈夫!僕がついてるから!」
「ハナ、間違っても大浴場を血の海にするなよ」←
「しないよぉ〜HAHAHA」←
華江くんに腕を引かれて、部屋を出る。
確かに、お風呂は顔が見えやすいし、気をつけなきゃ。
「ひーくんさ、何で顔見られたらまずいか分かってる?」
「え?それは…人気者のしーくんの幼馴染みがこんな平凡な顔してたら殴られるから……」
と言うと、華江くんは手で顔を抑えてため息を着いていた。
な、なぜ
「……ホントにもう…ひーくんの鈍感は底が知れないよ」
「え?違うの…?」
「違うよ。もう…」
そんなことを話してるうちに、大浴場に到着。
大浴場って4つあるんだ…。多いな。しかも広いし。
「お、ここいっぱい空いてる!」
「ここにしよ!」と華江くんに言われて、ロッカーに荷物を置く。
服を脱ぎ始めると、視線を感じた。
「は、華江くんなに?」
「いやいいよ。そのまま脱いで」←
「でも、あんまり見られると恥ずかしい…」
ジロジロと華江くんは僕の身体を見てくる。
や、やめて…!貧相だから!
「わぁお、」
「も、もう!1回見たでしょ!」
「いやでもほら。ホントに白いな〜って」
「もう…」
華江くん脱ぐの早いな!
恥ずかしすぎて顔が熱くなる。
「ひーくん、お尻おっきいね」←
「なっ…!き、気にしてるのに…!」
「あは、女の子みたいで可愛い〜」
「や、やめてよ…」
隠すように腰にタオルを巻く。
もう、華江くんてば…。
浴場のドアを開けると、ものすごい人の数と、いくつもの湯船。
「なにこれ…」
「花ヶ前はね、世界の温泉を調べて体験できるようになってるんだ。」
「す、すごい…!」
「だよね。今から入るのはヨーロッパの温泉だよ」
「ヨーロッパ!」
ホントにすごい学校だな…。
「「あー!ひろたんだー!」」
「え…真緒先輩、由緒先輩!」
「やっほー✩︎」
「ひろたんもお風呂?」
「は、はい」
この2人がいるってことは…
最初のコメントを投稿しよう!