第4話

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第4話

「深山くんのお部屋はここです」 有栖川さんに寮まで案内してもらった。 寮は高級ホテルの様な感じで、中もやっぱりすごかった。 ドキドキする…! (コンコン、) 「有栖川です。開けて頂けますか?」 「はーい、」 ガチャリと部屋のドアが開くと、すごく可愛い子が中から出てきた。 うわ、女の子みたい…(君もね) 「今日からこの部屋に入る深山尋衣くんです」 「あ、よ、よろしくお願いします…!」 と、僕が挨拶すると、にっこりと笑った。 うわぁ、天使みたい… 「よろしくね、深山くん!僕は香宮華江 (かみや はなえ)って言うんだ」 香宮、華江くん… 名前までキラキラしてるなぁ… 「香宮くん、深山くんはクラスメイトでもあるので、色々お願いします」 「分かりました!」 「それじゃあ、私はここで。」 「あ、有栖川さん、ありがとうございました!」 僕がそう言うと、有栖川さんはニコッと笑って歩いて行った。 俳優さんみたい… 「深山くん入って入って!お菓子でも食べよ!」 「わ、う、うん」 香宮くん、意外と力強いなぁ 僕とそんなに体型変わらないのに。 あ、僕が非力なのか…(ズーン) 部屋に入ると、それはもう高級ホテルだった。 え、これシャンデリアだよね? 初めて本物見た…! 「ここ座って!」 香宮くん、なんか元気だな〜 「僕と同じクラスってことは〜、5組だね!」 「うん。教室でもよろしくね」 「うんうん!あ、深山くんは何科?」 「あ、えと、確か歌手科?かな」 「へぇー!僕はダンスだよ!」 「わぁ…すごい!」 他にもミュージカル科やアイドル科、作曲科などもある。 多種多様な学科が、花ヶ前の特徴みたい。 「深山くんって、桐生獅堂(きりゅう しどう)の幼馴染みって本当?」 「?うん、そうだけど…どうして?」 「うーん、実はね。前から噂されてたんだよね〜、獅堂くんの幼馴染みがどんな人かって」 「前から?」 「まあ、去年の夏ぐらいからかな?」 去年の夏。 それは僕が花ヶ前への入学を許可された時期だ。 「そうだったんだ…」 「うん。でね、せっかく花ヶ前に来たのに言いたくないけど、気を付けてね?獅堂くんに近づくと危ないから。」 えっ… 「し、しーくん、どうかしたの…?」 「(しーくん…)あ、いや獅堂くんと言うより、獅堂くんの親衛隊だよ」 「親衛隊?」 「そ!獅堂くんは生徒会役員の1人でね、顔良し、頭良し、性格良しの人気者だから、親衛隊が出来たの。しかも、その親衛隊は過激なんだって」 「というか、生徒会の親衛隊が過激なんだ〜」と、香宮くんは付け足した。 どうしよう。怖くなってきた。 だって、しーくんに会いたいのに… 「……」 「(しまった…!怖がらせた…)あ、だ、大丈夫だよ…!メールとかでやり取りすれば…流石にそこまでは親衛隊もチェック出来ないだろうし」 あ、そうかメール…。 会いに来たけど、簡単には会えないのか… 「うん、ありがとう香宮くん。気を付けるね」 僕はにっこりと笑って、そう伝えた。 香宮くんは、何故か目を見開いて固まってしまった。 「ど、どうしたの…?」 「いや…あのさ、ちょっと前髪退けて顔見せてよ」 前髪…獅之助さんはああ言ってたけど、ルームメイトだし、いいよね? 僕は前髪を横にずらして、香宮くんに顔を見せた。 「え…え、えぇ!?」 「(ビクゥ)か、香宮くん?」 「な、すっごい可愛い…!なんで隠してるの!?」 「え?理事長がそうしろって…」 「理事長が?…あ、なるほど」 ??香宮くんは何かを悟ったみたい。 「他の人に簡単に顔見せちゃダメだよ?何されるか分かんないからね!」 「うん、理事長にもそう言われたから気を付けるね。」 その後、香宮くんと美味しいお菓子を食べ、届いた荷物の荷解きをして寝た。
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