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第6話
「そういや、深山の前髪長くね?」
冴場くんがふと言った。
「たかちゃん。これにはね、とっても重大な理由があるんだ…」
「へー」←
「なぁーんでそういう反応するのー!?」
「あはは…理事長に言われて伸ばしてるんだ」
「…へぇ、わけアリか」
「うん、そんな感じ」
華江くんが、僕の後ろに来て言った。
「そう、これが真実だ…!」
華江くんは僕の前髪をサッと上げた。
冴場くんの顔がクリアに見える。
「…………いや、マジか……」
「(ニヤニヤ)」
「さ、冴場くん?」
冴場くんは顔を赤くして、口元に手をやって言った。
だ、大丈夫かな
「あー、分かった。なるほど」
「これはこうでもしないと危ないよね〜」
そう言いながら、華江くんは僕の前髪をピンで上の方にとめた。
すごい、華江くん器用だな…
「しかもこの子罪深いことに、いやらしいトコにホクロが…」
「わーっ!やめて華江くんっ」
「馬鹿かお前」(チョップ)
「あいたっ」
あ、危ないところだった…!
「もう、華江くんてば…!」
「えー何その顔可愛い〜(ごめんね)」←
「俺もうツッコまないからな」
冴場くんが呆れたように言った。
ていうか、
「は、華江くんの方が可愛いもん…」
「…ふぇ?」
「やめとけ深山。こいつは見た目詐欺のゴリr」
冴場くんがそこまで言った時だった。
華江くんが冴場くんの胸ぐらを片手で掴んで持ち上げた。
ん?持ち上げた??←
華江くんが!?
「………なぁに?たかちゃん。聞こえなかった」
「ナンデモアリマセン」←
「そお?」
そう言って、華江くんはパッと手を離した。
冴場くんは…あ、伸びてる…!
き、気を付けよう…人は見かけに寄らないんだ。
そんなことを改めて学んだ。
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