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その三日後、
「入っていいよ!」
Vの声と同時に、ノアは部屋に入った。
相変わらず部屋は散らばりまくっている。
「……プレゼントを作る機械はどうなったんですか?」
三日前と同じ質問を、ノアはした。
片手をヒラヒラふるV。
「そんなもの作れるわけがないだろ。あきらめたよ。だから研究する必要も看板を掛けておく必要もなくなって、君に入ってきてもらったんだ。まあ、クリスマスプレゼントはこの間の箱とリボンと金紙で我慢……。」
クリスマスプレゼントが、カタカナにバージョンアップしているので、かなり復活したらしい。
しかし我慢も限界にきたノアは、現実をVにつきつけることをついに決心した。
Vの言葉を遮って質問する。
「博士、今日何日か知ってます?」
「十二月二十五日だろ?」
壁にかかっている日めくりカレンダーを指さすV。
「それはあなたがカレンダーをめくるのを忘れているから、十二月二十五日になっているだけです。」
「……え?」
「はっきり言わせてもらいます、今日は一月十日です。ちなみに、あなたが『もうすぐクリスマスだから、ノアにもプレゼントをあげよう』と食事中に宣言したのは元旦、大晦日の夜でした。」
しばらくカレンダーをにらみつけ、ノアをまじまじと見つめた後で、Vは泣きながら研究所を飛び出して行ってしまった。
後にはため息をつくノアだけが残されている。
というわけで、Vが帰ってくるまで、少しばかり休憩。
終
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