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貴子
「アレッ! コレ!
ブレーキが効かないじゃないの! 」
貴子の車は都内の道路を疾走する……
そこへ どこからとも無く 黒のメルセデスベンツが 貴子の車を追い抜き…
貴子の車の前に着けると…
徐々にブレーキを踏んでいく!
ガン! ガガーン!
メルセデスが ブレーキになったのだ。
やっと2台とも停車すると、
「お嬢様…大丈夫ですか?」
と 護衛係の小野寺 昭也が 駆け寄る。
貴子「ありがとう☆ 大丈夫よ。」
昭也「いったい誰が…こんな事を……!」
貴子「調査は 任せるわ。
嫌われる役目だから…仕方ないわね☆」
………………………………
その日の夕方からは 政府の要人、巨大グループ企業のお偉いさんや ジュニア(2世経営者)、外国の親しい経営者などを招いての おもてなしのパーティがある。
外務大臣「やあ、貴子ちゃん、お久しぶり☆
元気にしてた? 」
貴子「はい、大臣 いつも お気に掛けてくださって ありがとうございます。 」
大臣「娘のサキが 逢いたがってたよ。
高校の時 勉強見てくれたからって☆ 」
……………………
巨大企業グループ【澄友】の会長
「貴子ちゃん、大きくなったね〜 ☆
赤ちゃんの時は…こんなに小さかったのにね。
もう 立派なレディーに 成っちゃって。」
貴子
「会長〜☆わたし…そんなに 小さかったですか〜(笑) 会長も 随分 大きくなりましたね~☆(笑)」
会長
「ハハハ、貴子ちゃん、 冗談でも嬉しいよ。(笑)
ところで 素敵な彼氏は 出来たのかい?」
貴子「会長〜☆ お役目が 忙しくて 恋をするヒマも 頂けないの。」
会長「そうか、それは不敏じゃのう…。
ワシが彼氏の代わりも 出来ぬからのう。
ハハハ (笑)
仕事も良いが、『生命短し、恋せよ 乙女 』じゃからの。
まあ、頑張りなさい。」
………………………………
もう一つの巨大企業グループ【五井】会長の一人息子:五井 琢磨(たくま)
「貴子ちゃん、こんばんは。
【四谷】のほうの景気は どうだい? 特に航空機部門に 僕は注目してるんだけど…近々 アメリカの最新鋭戦闘機が日本で生産されるだろ……? 」
貴子「琢磨さん、いろいろ お詳しいのね。
その件は まだ国家と企業を含めての秘密なの。
一個人としての展望は 差し控えさせて頂くわ。
今日は他の話題で盛り上がりましょ☆
サーフィンの波は…今年どうなの?」
琢磨「ああ、サーフィンか? 今年は良い波 来てるよ〜☆
貴子ちゃんの趣味の車はどうよ?
イケてる車…見つけた? 」
貴子「そうね、 今はアメリカ製の車が良いわ。
大排気量のスポーツカーかな……。
琢磨さん……彼女出来た? 」
琢磨「エヘン! 急になんだよ、 むせちゃったよ。
彼女っていう訳じゃ無いんだけど…親の決めた相手なら いるよ。
同じ企業グループ内のお嬢様らしい。
深窓のお姫様…みたいな…(笑)」
貴子「そうかあ、 政略結婚…っていうやつ?
まあ、しょうが無いよね〜。 お互いね〜☆」
………………………………
貴子は パーティが終わり、新しい車で帰宅途中 ふと考えた。
《私達って、恋しちゃ☆イケナイのかなあ?
政略結婚って…何なんだろ? 》
車のラジオからは米軍向けのディスクジョッキーが 米国ヒットチャートと共に流れていた☆
♪
アイ ラブ ユー☆
この愛は…誰にもじゃまされない
起きていても 夢の中でも
君が…好き
ルルルルル☆
おやすみ 素敵なひと
今宵 君だけを
愛している
これだけは 確かさ
ワワワワ〜 ♪
……………………
貴子ちゃんも 今宵は
少し センチになってしまいました☆
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