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3.フタリのヒミツ
部活のとある休み時間。
私がベンチで片平先輩に渡すお土産を探していたとき。
「ねえねえ!朝倉さーん!暇してる?」
片平先輩が満面の笑みで話しかけてきた。
「まあ…暇してますよ?笑」
私も笑顔で返す。
片平先輩は私の隣に座った。
「はい!お土産でーす!」
水色の袋に入ったそのお土産は、ずっしりと重かった。
「私からもです!どうぞ!」
私は白のシンプルな袋に入ったお土産を渡した。もちろん手紙も添えて。
先輩にお土産を渡したとき、私の手が何故か震えていた。緊張したからかな?
お土産交換のあとは、おしゃべりタイム。
見に行きたい映画とか、旅行先の話とか。
2人で話せる時間は本当にあっという間だった。
「あ…もうそろそろ休憩終わりますね。」
私がそう言うと、誰かが走っていった音が聞こえた。
(え…?誰か後ろに居たの…?)
すごい不安になった。だって、この先輩は柚葉先輩の彼氏だから。
そんな私の不安に気づいたのか
「そうだね。よし、それぞれパート練習場所まで戻ろう。」
と言ってくれた。
2人でベンチから立つと、先輩は私に耳打ちをした。
「今日のお土産交換は2人の秘密だよ。」
と。
そう言って先輩はパート練習場所まで戻っていった。
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