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空にはお月様。
月明かりに照らされ、ただ浮かんでいる坂上は何をすることもなく気がつき星を眺めていた。
ーーこんな広大な宇宙と海から見れば、オレは何て小さい。そんな自分の悩みなんて豆粒のようでどうでもいい気がした。
逆に小さなカプセルから見る景色は雄大で限りなく広く、その開放感に何でも出来るような力が湧いてくる気がした。
月明かりの魔法にでもかかったかーー。
自然の力を原動力に自分自身が変わっていく様をこのときから感じ始めていた。
贅沢にも波の音を子守唄代わりに坂上は眠りにつく。
凪いだ海が夜空を映し金色にも銀色にも光り輝いている。ハンモックに揺られるように心地よく守られている安心感が、坂上の眠りをさらに優しく深めていった。
やがて宇宙は空に変わる。
遠くの空は白みはじめる。
坂上は瞼に変化を感じて目を開けると、薄明の中に小さな星が点と点を繋ぐ散りばめられた宇宙を見た。
ーー陽が昇るサイン。
太陽を待つゆったりとした時間がこんなにも雄大で感動的で、地平線と太陽と空の大パノラマを目の当たりにすると、言葉にならない感動が坂上の心に突き刺さった。
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