お見通し

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夕映えに輝く空、そして街並。  瞳に映る街路樹のシルエットが幻想的な空間を醸し出す。  やがて日は暮れ、辺りは闇に包まれていく。  空の鏡を見上げれば心が澄み渡るかのように、あのツアーの時と同じ月がここにもあった。 「以前は外の景色を眺めるなんてことはなかったなぁ」  今日は平日ということもあり客足は伸びないテーコーツーリスト。  時間を見計らい、坂上は店長や社員さんへの気持ちとしてケーキを買ってくることを思いつく。 「先輩、ちょっとコンビニ行ってきます!」  そう言っといて駅前のケーキ屋へ向かった。急いで人数分を買い、社内の人たちに気づかれないよう違う紙袋に入れ替えてそっと店に戻ってきた。 「ただいまー」  すると店長が隣の給湯室から麦茶を5人分お盆に乗せてきた。 「坂上、オレはチョコケーキな」 目も合わせずボソッと呟く店長の持つお盆には、何故か皿とフォークが用意されていた。 「な、何でわかったんですか?」  フフフッ。 「だから最初に言ったろ。  僕には目が3つあるんだって。  ほら、お前の背中見てみ?」 「背中ですか?」 「襟のとこだよ」 「あっ!」 そこには目ん玉のシールが貼ってあった。 「これが3つ目?」
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