説明

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 ミステリーツアーの説明書を見ると変わったことが色々書いてあった。 説明書 ⑴これはミステリーツアーなので旅行の内容についてはシークレットとする。 ⑵集合時間・集合場所は前日に決定する。 但し、悪天候などにより途中で行き先が変わることがある。 ⑶行き帰りはカプセルでの移動になる。 その中での飲食は禁止。特殊なカプセルなので中では空腹感や排尿感は起きない。また、酸素を凝縮したビーズを内蔵しているので何時間いても苦しくなることはない。2ヶ月間有効。 カプセル内にいればどんな外敵からも身を守ることが可能。 ⑷離陸地点はどの国においても軍の演習場にある。遠くに移動したいときはそこに行って、行きたい場所を伝えればそこから出発出来る。 到着して陸にあがったらカプセルから解放されるので黙って待っていること。  旅行の最長期限は50日。交通手段は飛行機とは違う方法で行くため、到着したら必ず現地のタワーポイントへ行き身分証を提示してチェックをもらうこと。  社員に限り、現地でかかる費用は全て会社もちなので小遣い不要。(身分証提示でOK)最小限の荷物に留める。 「それから、うちのホームページでミステリーツアーって検索するとツアーのことでクチコミが色々載ってるから見ておくといいよ。一般の人ももちろん参加してるツアーだから参考になるから」 「わかりました」 ーーってそう言われてもな。ミステリーツアーなのにクチコミ見たらミステリーじゃなくね? ネタバレしたら面白くないじゃん。  坂上は秘かにそう思ってクチコミを見ないで参加することにした。  そして数日経っての出発の日。  前日のメールで連絡が来たところによると、集合時間は9時。集合場所はお近くの自衛隊演習場となっている。行き先は〝海外〟としか表記がない。  携帯電話をマナーモードにし、バスを乗り継いで演習場近くで降りた。演習場まで歩いていくと入口には数名の隊員が控えていて、早速不審者扱いで近寄ってきた。 「身分証は」  カバンにつけていたミステリーツアー用の身分証を見せるとQRコードから情報を読み取る隊員。確認が取れると検知した機械を坂上の二の腕に押し付け、身分証と体が一致するよう情報を体内に埋め込んだ。 そして脇に外れた小さな入口へと案内される。 「ここからは携帯電話の電源を切ってください」  入口を通過してから10分ほど歩くと、そこにはデカイ物体があった。
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